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Update:子どもの尊厳と権利 vs. 「子の意思」

「子の意思」を確認する(表示させる)ことは、つまるところ、子への虐待だと考えます。
子の意見や陳述を確認することは必要だと思いますが、子に、意思を表示させることを強制させることに反対です。

親子断絶防止法で追加された子の意思についての記述について、子の意思を確認する適用範囲が今まで以上に拡大され、子の権利がより阻害されるだろう強い危惧があります。

まずは、ここでいう意思という用語ですが、法律で使われているので法律用語です。

1,意思人の内心の思いである意思は、それ自体何の法律効果も生じません。意思は相手方に伝えられてはじめて法律効果が生じますので、意思という用語は、「意思表示」、あるいは「意思を表示する」など、表示という用語と一体になって使われます。例えば、民法93条本文「意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。」、民法941項「相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。」、民法95条本文「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。」など「意思表示」という用語として使われる場合と、民法474条「債務の弁済は、第三者もすることができる。ただし、その債務の性質がこれを許さないとき、又は当事者が反対の意思を表示したときは、この限りでない。」、民法519条「債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。」、民法556条「売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から、売買の効力を生ずる。」など「意思を表示したとき」あるいは「意思を表示した時」という用語として使われます(なお、「とき」と「時」の別のコラムを参照してください)。

情報源: 法令用語  意思・意志菊池捷男 [マイベストプロ岡山]

意思表示(いしひょうじ)とは、社会通念上一定の法律効果の発生を意図しているとみられる意思(効果意思)の表示行為をいう。

情報源: 意思表示 – Wikipedia

意思という言葉は、「相手に伝えられて初めて法律効果が生じます」とあります。意思と法律の中で出てきた場合は、何かの効果が目的にあるということですね。

「子の意思」について書かれている法律をまとめてみました。

まず、「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」ですが、日本では1994年に批准されたそうです。

http://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_rig.html

「児童の権利に関する条約」全文

第9条

1 締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する。ただし、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として適用の
ある法律及び手続に従いその分離が児童の最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りでない。このような決定は、父母が児童を虐待し若しくは
放置する場合又は父母が別居しており児童の居住地を決定しなければならない場合のような特定の場合において必要となることがある。

2 すべての関係当事者は、1の規定に基づくいかなる手続においても、その手続に参加しかつ自己の意見を述べる機会を有する。

3 締約国は、児童の最善の利益に反する場合を除くほか、父母の一方又は双方から分離されている児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する。

4 3の分離が、締約国がとった父母の一方若しくは双方又は児童の抑留、拘禁、追放、退去強制、死亡(その者が当該締約国により身体を拘束されている間に
何らかの理由により生じた死亡を含む。)等のいずれかの措置に基づく場合には、当該締約国は、要請に応じ、父母、児童又は適当な場合には家族の他の構成員
に対し、家族のうち不在となっている者の所在に関する重要な情報を提供する。ただし、その情報の提供が児童の福祉を害する場合は、この限りでない。締約国
は、更に、その要請の提出自体が関係者に悪影響を及ぼさないことを確保する。

第12条

1 締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。

2 このため、児童は、特に、自己に影響を及ぼすあらゆる司法上及び行政上の手続において、国内法の手続規則に合致する方法により直接に又は代理人若しくは適当な団体を通じて聴取される機会を与えられる。

父母の意思と子の意見と見事に使い分けをしています。私は、子の意思と敢えて使っていない理由を考えます。子どもに意思を表明することは求めていません。子には、意見表明をする権利があるとしています。

次に、家事事件手続法です。

家事事件手続法 第五款 家事審判の手続における子の意思の把握等

第六十五条  家庭裁判所は、親子、親権又は未成年後見に関する家事審判その他未成年者である子(未成年被後見人を含む。以下この条において同じ。)がその結果により影響を受ける家事審判の手続においては、子の陳述の聴取、家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法により、子の意思を把握するように努め、審判をするに当たり、子の年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならない。

家事事件手続法(かじじけんてつづきほう、平成23525日法律第52号)は、家庭裁判所が管轄する家事審判事件及び家事調停の手続について定めた日本の法律。2013年(平成25年)11日施行。家事事件手続法の施行に伴い、従前の家事審判法は廃止された[1]

情報源: 家事事件手続法 – Wikipedia

下記の人事訴訟法の後、2013年に施工されました。「子の意思」が記述された唯一の法律です。

・家庭裁判所内において、子の陳述の聴取。

・調査官により、子の意思を把握
・審判をするにあたり、子の意思を考慮しなければならない。
とあります。適用される範囲が、誰が、いつ、どのように、どこで、が定められ、子の意思を考慮します。
ちなみに、人事訴訟法は2003年に改められた法律です。

人事訴訟法 附帯処分等

(附帯処分についての裁判等)

第三十二条
 裁判所は、申立てにより、夫婦の一方が他の一方に対して提起した婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る請求を認容する判決において、子の監護者の指定その他の子の監護に関する処分、財産の分与に関する処分又は厚生年金保険法
(昭和二十九年法律第百十五号)第七十八条の二第二項
の規定による処分(以下「附帯処分」と総称する。)についての裁判をしなければならない。

 前項の場合においては、裁判所は、同項の判決において、当事者に対し、子の引渡し又は金銭の支払その他の財産上の給付その他の給付を命ずることができる。

 前項の規定は、裁判所が婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る請求を認容する判決において親権者の指定についての裁判をする場合について準用する。

 裁判所は、第一項の子の監護者の指定その他の子の監護に関する処分についての裁判又は前項の親権者の指定についての裁判をするに当たっては、子が十五歳以上であるときは、その子の陳述を聴かなければならない。

人事訴訟法(じんじそしょうほう、平成15716日法律第109号)とは、家族法上の法律関係について民事訴訟法の特則を定めた日本の法律。この法律により、従前の人事訴訟手続法(明治31年法律第13号)は廃止された。

情報源: 人事訴訟法 – Wikipedia

人事訴訟法では、15歳以上の場合「子の陳述」として表現されています。ここでも、適用範囲がさだめられています。

最後に親子断絶防止法ですが、

父母の離婚等の後における子と父母との継続的な関係の維持等の促進に関する法律案
【未定稿】
修文案

 (基本理念) 第二条


父母の離婚等の後における子と父母との継続的な関係の維持等に当たっては、子にその意思を表明する機会を確保するよう努め、子の年齢及び発達の程度に応じてその意思を考慮するとともに、父母が相互に相手の人格を尊重しつつ豊かな愛情をもって子に接し、いやしくも子の健全な成長及び人格の形成が阻害されることのないようにしなければならない。

「子の意思を表明する機会を確保するように努める」とあります。一般の人々の日常生活において、離婚などの後、いつでも子の意思を表明させることを認めています。

 適用範囲はありませんので、例えば、連れ去り後、同居親により子の意思を表明させる機会が確保されます。

 棚瀬孝雄弁護士も、2条の「子の意思」について懸念しており、

「修正案にある、面会交流の可否を考えるにあたって、子の意思表明の機会を与えるとい
うのは、子に踏み絵を踏ませるものであり、なぜ面会交流が必要なのかという、その根本
を忘れたものと言わなければなりません。」

と、「子に踏み絵を踏ませるもの」と述べています。

子に意思を表明させ、将来にわたって、自分の人生を決める選択をさせることはできません。未成年者は、自分の将来についての結果に責任が持てません。だからこそ、成人するまで監護権者がいて責任を負うのです。

「子の意思」を表明させる文が入った新しい法律は 子への虐待を示唆し、子の権利を蹂躙してしまいます。

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