Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/kouzy/www/fbu/wp-includes/post-template.php on line 284

韓国 民法 第4編親族 第5編相続

[pdf-embedder url=”http://kouzy.jpn.org/fbu/wp-content/uploads/2017/04/koreanlawPaper.pdf”]
第5編 相続
第1章 総則 767条~777条第2章 戸主及び家族 778条~799条
第3章 婚姻
  第1節 婚約 800条~806条
  第2節 婚姻の成立 807条~814条
  第3節 婚姻の無効及び取消し 815条~825条
  第4節 婚姻の効力
   第1款 一般的効力 826条~828条
   第2款 財産上の効力 829条~833条
  第5節 離婚
   第1款 協議上の離婚 834条~839条の2
   第2款 裁判上の離婚 840条~843条
第4章 父母及び子
  第1節 嫡出子 844条~865条
  第2節 養子
   第1款 養子縁組の要件 866条~882条
   第2款 養子縁組の無効及び取消し 883条~897条
   第3款 養子離縁 898条~908条
  第3節 親権
   第1款 総則 909条~921条
   第2款 親権の効力 922条~923条
   第3款 親権の喪失 924条~927条
第5章 後見
  第1節 後見人 928条~940条
  第2節 後見人の任務 941条~956条
  第3節 後見の終了 957条~959条
第6章 親族会 960条~973条
第7章 扶養 974条~979条
第8章 戸主承継
  第1節 総則 980条~983条
  第2節 戸主承継人 984条~996条
第1章 相続  第1節 総則 997条~999条
  第2節 相続人 1000条~1004条
  第3節 相続の効力
   第1款 一般的効力 1005条~1008条の3
   第2款 相続分 1009条~1011条
   第3款 相続財産の分割 1012条~1018条
  第4節 相続の承認及び放棄
   第1款 総則 1019条~1024条
   第2款 単純承認 1025条~1027条
   第3款 限定承認 1028条~1040条
   第4款 放棄 1041条~1044条
  第5節 財産の分離 1045条~1052条
  第6節 相統人の不存在 1053条~1059条
第2章 遺言
  第1節 総則 1060条~1064条
  第2節 遺言の方式 1065条~1072条
  第3節 遺言の効力 1073条~1090条
  第4節 遣言の執行 1091条~1107条
  第5節 遺言の撤回 1108条~1111条
第3章 遺留分 1112条~1118条
附則
 

 
第4編 親族
第1章 総則
第767条(親族の定義)配偶者、血族及び姻戚を親族という。
第768条(血族の定義)自己の直系尊属及び直系卑属を直系血族といい、自己の兄弟姉妹及び兄弟姉妹の直系卑属並びに直系尊属の兄弟姉妹及びその兄弟姉妹の直系卑属を傍系血族という。
第769条(姻戚の系源)血族の配偶者、配偶者の血族及び配偶者の血族の配偶者を姻戚という。
第770条(血族の親等の計算)①直系血族は、自己から直系尊属に遡り、自己から直系卑属に下って、その世数を定める。
②傍系血族は、自己から同源の直系尊属に遡る世数及びその同源の直系尊属からその直系卑属に下る世数を通算して、その親等を定める。
第771条(姻戚の親等の計算)姻戚は、配偶者の血族については、配偶者のその血族に対する親等に従い、血族の配偶者については、その血族に対する親等に従う。
第772条(養子との親系及び親等)①養子と養父母及びその血族、姻戚間の親系及び親等は、縁組したときから婚姻中の出生子と同一のものとみなす。
③養子の配偶者、直系卑属及びその配偶者は、前項の養子の親系を基準として親等を定める。
第773条 削除
第774条 削除
第775条(姻戚関係等の消滅)①姻戚関係は、婚姻の取消し又は離婚により終了する。
②夫婦の一方が死亡した場合、生存配偶者が再婚したときも、前項と同様である。
第776条(縁組による親族関係の消滅)緑組による親族関係は、縁組の取消し又は離縁により終了する。
第777条(親族の範囲)親族関係による法律上の効力は、この法律又は他の法律に特別の規定がない限り、次の各号に該当する者に及ぶ。
 1 8親等以内の血族
 2 4親等以内の姻戚
 3 配偶者
第2章 戸主及び家族
第778条(戸主の定義)一家の系統を継承した者、分家した者又はその他の事由により一家を創立若しくは復興した者は、戸主となる。
第779条(家族の範囲)戸主の配偶者、血族及びその配偶者その他本法の規定によりその家に入籍した者は、家族となる。
第780条(戸主の変更及び家族)戸主の変更がある場合は、前戸主の家族は、新戸主の家族となる。
第781条(子の入籍、姓及び本)①子は、父の姓及び本を継ぎ、父家に入籍する。
②父を知ることができない子は、母の姓及び本を継ぎ、母家に入籍する。
③父母を知ることができない子は、裁判所の許可を得て、姓及び本を創設し、一家を創立する。ただし、姓及び本を創設した後、父又は母が分かったときは、父又は母の姓及び本を継ぐ。
第782条(婚姻外の子の入籍)①家族が婚姻外の子を出生したときは、その家に入籍させることができる。
②婚姻外の出生子が父の家に入籍することができないときは、母家に入籍することができ、母家に入籍することができないときは、一家を創立する。
第783条(養子及びその配偶者等の入籍)養子の配偶者、直系卑属及びその配偶者は、養子と共に養家に入籍する。
第784条(夫の血族でない妻の直系卑属の入籍)①妻に夫の血族でない直系卑属があるときは、夫の同意を得て、その家に入籍させることができる。
②前項の場合に、その直系卑属が他家の家族であるときは、その戸主の同意を得なければならない。
第785条(戸主の直系血族の入籍)戸主は、他家の戸主でない自己の直系尊属又は直系卑属をその家に入籍させることができる。
第786条(養子及びその配偶者等の復籍)①養子、その配偶者、直系卑属及びその配偶者は、縁組の取消し又は離縁によりその生家に復籍する。
②前項の場合に、その生家が廃家又は無後になったときは、生家を復興し又は一家を創立することができる。
第787条(妻等の復籍及び一家創立)①妻及び夫の血族でないその直系卑属は、婚姻の取消し又は離婚により、その親家に復籍し、又は一家を創立する。
②夫が死亡した場合は、妻及び夫の血族でない直系卑属は、その親家に復籍し、又は一家を創立することができる。
③前2項の場合に、その親家が廃家若しくは無後になり、又はその他の事由により復籍することができないときは、親家を復興することができる。
第788条(分家)①家族は、分家することができる。
②未成年者が分家するには、法定代理人の同意を得なければならない。
第789条(法定分家)家族は、婚姻すれば、当然に分家する。ただし、戸主の直系卑属長男子は、この限りでない。
第790条 削除
第791条(分家戸主及びその家族)①分家戸主の配偶者、直系卑属及びその配偶者は、その分家に入籍する。
②本家戸主の血族でない分家戸主の直系尊属は、分家に入籍することができる。
第792条 削除
第793条(戸主の縁組及び廃家)一家創立又は分家により戸主となった者は、他家に縁組するために廃家することができる。
第794条(女戸主の婚姻及び廃家)女戸主は、婚姻するために廃家することができる。
第795条(他家に入籍した戸主及びその家族)①戸主が廃家し、他家に入籍したときは、家族もその他家に入籍する。
②前項の場合に、その他家に入籍することができず、又はそれを欲しない家族は、一家を創立する。
第796条(家族の特有財産)①家族が自己の名義で取得した財産は、その特有財産とする。
②家族のいずれに属するか明らかでない財産は、家族の共有と推定する。
第797条 削除
第798条 削除
第799条 削除
第3章 婚姻
第1節 婚約
第800条(婚約の自由)成年に達した者は、自由に婚約することができる。
第801条(婚約年齢)男子満18歳、女子満16歳に達した者は、父母又は後見人の同意を得て、婚約することができる。この場合は、第808条の規定を準用する。
第802条(禁治産者の婚約)禁治産者は、父母又は後見人の同意を得て、婚約することができる。この場合は、第808条の規定を準用する。
第803条(婚約の強制履行禁止)婚約は、強制履行を請求することができない。
第804条(婚約解除の事由)当事者の一方に次の各号の事由があるときは、相手方は、婚約を解除することができる。
 1 婚約後、資格停止以上の刑の宣告を受けたとき。
 2 婚約後、禁治産又は限定治産の宣告を受けたとき。
 3 性病、不治の精神病その他不治の悪疾があるとき。
 4 婚約後、他人と婚約又は婚姻をしたとき。
 5 婚約後、他人と姦淫したとぎ。
 6 婚約後、1年以上その生死が明らかでないとき。
 7 正当な理由なく婚姻を拒絶し又はその時期を遅延するとき。
 8 その他重大な事由があるとき。
第805条(婚約解除の方法)婚約の解除は、相手方に対する意思表示により行う。ただし、相手方に対して意思表示をすることができないときは、その解除の原因があることを知ったときに解除されたものとみなす。
第806条(婚約解除及び損害賠償請求権)①婚約を解除したときは、当事者一方は、過失ある相手方に対して、これによる損害の賠償を請求することができる。
②前項の場合は、財産上損害のほか、精神上苦痛に対しても、損害賠償の責任がある。
③精神上苦痛に対する賠償請求権は、譲渡又は承継することができない。ただし、当事者間に既にその賠償に関する契約が成立し、又は訴を提起した後は、この限りでない。
第2節 婚姻の成立
第807条(婚姻適齢)男子満18歳、女子満16歳に達したときは、婚姻することができる。
第808条(同意を要する婚姻)①未成年者が婚姻をするときは、父母の同意を得なければならず、父母中の一方が同意権を行使することができないときは、他の一方の同意を得なければならず、父母が双方とも同意権を行使することができないときは、後見人の同意を得なければならない。
②禁治産者は、父母又は後見人の同意を得て婚姻することができる。
③前2項の場合に、父母若しくは後見人がないとき又は同意をすることができないときは、親族会の同意を得て婚姻をすることができる。
第809条(同姓婚等の禁止)①同姓同本である血族の間では、婚姻することができない。
③男系血族の配偶者、夫の血族及びその他8親等以内の姻戚、又はこのような姻戚であった者の間では、婚姻することができない。
第810条(重婚の禁止)配偶者のある者は、重ねて婚姻することができない。
第811条(再婚禁止期間)女子は、婚姻関係の終了した日から6月を経過しなければ、婚姻することができない。ただし、婚姻関係の終了後出産したときは、この限りでない。
第812条(婚姻の成立)①婚姻は、戸籍法に定めるところにより申告することにより、その効力が生ずる。
②前項の申告は、当時者双方及び成年者である証人2人の連署した書面でしなければならない。
第813条(婚姻申告の審査)婚姻の申告は、その婚姻が第807条から第811条まで及び前条第2項の規定その他法令に違反することがないときは、これを受理しなければならない。
第814条(外国における婚姻申告)①外国にある本国民間の婚姻は、その外国に駐在する大使、公使又は領事に申告することができる。
②前項の申告を受理した大使、公使又は領事は、遅滞なくその申告書類を本国の所管戸籍吏に送付しなければならない。
第3節 婚姻の無効及び取消し
第815条(婚姻の無効)婚姻は、次の各号の場合は、無効とする。
 1 当事者間に婚姻の合意がないとき。
 2 当事者間に直系血族、8親等以内の傍系血族及びその配偶者である親族関係があり、又はあったとき。
 3 当事者間に直系姻戚、夫の8親等以内の血族である姻戚関係があり、又はあったとき。
第816条(婚姻取消しの事由)婚姻は、次の各号の場合は、裁判所にその取消しを請求することができる。
 1 婚姻が第807条から第811条までの規定に違反したとき。
 2 婚姻当時、当事者一方に夫婦生活を継続することができない悪疾その他重大な事由があることを知ることができなかったとき。
 3 詐欺又は強迫により婚姻の意思表示をしたとき。
第817条(年齢違反婚姻等の取消請求権者)婚姻が第807条、第808条の規定に違反したときは、当事者又はその法定代理人がその取消しを請求することができ、第809条の規定に違反したときは、当事者、その直系尊属又は8親等以内の傍系血族がその取消しを請求することができる。
第818条(重婚等の取消請求権者)婚姻が第810条の規定に違反したときは、当事者、その配偶者、直系尊属、8親等以内の傍系血族又は検事がその取消しを請求することができ、第811条の規定に違反したときは、当事者及び前配偶者又はその直系尊属がその取消しを請求することができる。
第819条(同意のない婚姻の取消請求権の消滅)第808条の規定に違反した婚姻は、その当事者が成年に達した後若しくは禁治産宣告の取消があった後3月を経過し、又は婚姻中懐胎したときは、その取消しを請求することができない。
第820条(同姓婚等に対する取消請求権の消滅)第809条の規定に違反した婚姻は、その当事者間に婚姻中、子を出生したときは、その取消しを請求することができない。
第821条(再婚禁止期間違反婚姻取消請求権の消減)第811条の規定に違反した婚姻は、前婚姻関係の終了した日から6月を経過し、又は再婚後懐胎したときは、その取消しを請求することができない。
第822条(悪疾等事由による婚姻取消請求権の消滅)第816条第2号の規定に該当する事由ある婚姻は、相手方がその事由のあることを知った日から6月を経過したときは、その取消しを請求することができない。
第823条(詐欺、強迫による婚姻取消請求権の消滅)詐欺又は強迫による婚姻は、詐欺を知った日又は強迫を免れた日から3月を経過したときは、その取消しを請求することができない。
第824条(婚姻取消しの効力)婚姻の取消しの効力は、既往に遡及しない。
第825条(婚姻取消し及び損害賠償請求権)第806条の規定は、婚姻の無効又は取消しの場合に準用する。
第4節 婚姻の効力
第1款 一般的効力
第826条(夫婦間の義務)①夫婦は、同居し、互いに扶養し、協助しなければならない。ただし、正当な理由により一時的に同居しない場合は、互いに忍容しなけれげならない。
②夫婦の同居場所は、夫婦の協議により定める。ただし、協議が成立しない場合は、当事者の請求により家庭裁判所がこれを定める。
③妻は、夫の家に入籍する。ただし、妻が親家の戸主又は戸主承継人であるときは、夫が妻の家に入籍することができる。
④前項ただし書の場合に、夫婦間の子は、母の姓及び本を継ぎ、母の家に入籍する。
第826条の2(成年擬制)未成年者が婚姻をしたときは、成年者とみなす。
第827条(夫婦間の家事代理権)①夫婦は、日常の家事に関して、互いに代理権がある。
②前項の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
第828条(夫婦間の契約の取消し)夫婦間の契約は、婚姻中いつでも夫婦の一方がこれを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することができない。
第2款 財産上の効力
第829条(夫婦財産の約定及びその変更)①夫婦が婚姻成立前にその財産に関して別に約定をしなかったときは、その財産関係は、本款中、次の各条に定めるところによる。
②夫婦が婚姻成立前にその財産に関して約定したときは、婚姻中これを変更することができない。ただし、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て変更することができる。
③前項の約定により夫婦の一方が他の一方の財産を管理する場合に、不適当な管理によりその財産を危うくしたときは、他の一方は、自己が管理することを裁判所に請求することができ、その財産が夫婦の共有であるときは、その分割を請求することができる。
④夫婦がその財産に関して別に約定をしたときは、婚姻成立までにその登記をしなければ、これをもって夫婦の承継人又は第三者に対抗することができない。
⑤第2項、第3項の規定又は約定により管理者を変更し、又は共有財産を分割したときは、その登記をしなければ、これにより夫婦の承継人又は第三者に対抗することができない。
第830条(特有財産及び帰属不明財産)①夫婦の一方が婚姻前から有する固有財産及び婚姻中自己の名義で取得した財産は、その特有財産とする。
②夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、夫婦の共有と推定する。
第831条(特有財産の管理等)夫婦は、その特有財産を各自管理、使用又は収益する。
第832条(家事による債務の連帯責任)夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによる債務に対して連帯責任がある。ただし、あらかじめ第三者に対して他の一方の責任なきことを明示したときは、この限りでない。
第833条(生活費用)夫婦の共同生活に必要な費用は、当事者間に特別な約定がなければ、夫婦が共同で負担する。
第5節 離婚
第1款 協議上離婚
第834条(協議上離婚)夫婦は、協議により離婚することができる。
第835条(禁治産者の協議上離婚)第808条第2項及び第3項の規定は、禁治産者の協議上離婚にこれを準用する。
第836条(離婚の成立及び申告方式)①協議上離婚は、家庭裁判所の確認を受け、戸籍法に定めるところにより、申告することにより、その効力が生ずる。
②前項の申告は、当事者双方及び成年者である証人2人の連署した書面でしなければならない。
第837条(離婚及び子の養育責任)①当事者は、その子の養育に関する事項を協議により定める。
②前項の養育に関する事項の協議が調わず、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、当事者の請求により、その子の年齢、父母の財産状況その他の事情を参酌して、養育に必要な事項を定め、いつでもその事項を変更、又は他の適当な処分をすることができる。
③前項の規定は、養育に関する事項外には、父母の権利義務に変更をもたらさない。
第837条の2(面接交渉権)①子を直接養育しない父母中一方は、面接交渉権を有する。
②家庭裁判所は、子の福利のため必要なときは、当事者の請求により面接交渉を制限し、又は排除することができる。
第838条(詐欺、強迫による離婚の取消請求権)詐欺又は強迫により離婚の意思表示をした者は、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。
第839条(準用規定)第823条の規定は、協議上の婚に準用する。
第839条の2(財産分割請求権)①協議上離婚した者の一方は、他の一方に対して財産分割を請求することができる。
②前項の財産分割に関して協議が調わず、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、当事者の請求により、当事者双方の協力で得た財産の額その他の事情を参酌して分割の額及び方法を定める。
③第1項の財産分割請求権は、離婚した日から2年を経過したときは、消滅する。
第2款 裁判上離婚
第840条(裁判上離婚原因)夫婦の一方は、次の各号の事由がある場合は、家庭裁判所に離婚を請求することができる。
 1 配偶者に不貞な行為があったとき。
 2 配偶者が悪意で他の一方を遺棄したとき。
 3 配偶者又はその直系尊属から著しく不当な待遇を受けたとき。
 4 自己の直系尊属が配偶者から著しく不当な待遇を受けたとき。
 5 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
 6 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
第841条(不貞による離婚請求権の消滅)前条第1号の事由は、他の一方が事前同意若しくは事後容恕をしたとき、又はこれを知った日から6月、その事由があった日から2年を経過したときは、離婚を請求することができない。
第842条(その他の原因による離婚請求権の消滅)第840条第6号の事由は、他の一方がこれを知った日から6月、その事由があった日から2年を経過すれば、離婚を請求することができない。
第843条(準用規定)第806条、第837条、第837条の2及び第839条の2の規定は、裁判上の離婚に準用する。
第4章 父母及び子
第1節 嫡出子
第844条(夫の嫡出子の推定)①妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
②婚姻成立の日から200日後又は婚姻関係終了の日から300日内に出生した子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
第845条(裁判所による父の決定)第811条の規定に違反して再婚した女子が出産した場合に、前条の規定によりその子の父を定めることができないときは、裁判所が、当事者の請求によりこれを定める。
第846条(子の嫡出否認)夫は、第844条の場合に、その子が嫡出子であることを否認する訴を提起することができる。
第847条(嫡出否認の訴)①否認の訴は、子又はその親権者である母を相手として、その出生を知った日から1年内に提起しなければならない。
②親権者である母がないときは、裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。
第848条(禁治産者の嫡出否認の訴)①夫が禁治産者であるときは、その後見人は、親族会の同意を得て、否認の訴を提起することができる。
②前項の場合に、後見人が否認の訴を提起しないときは、禁治産者は、禁治産宣告の取消しがあった日から1年内に、否認の訴を提起することができる。
第849条(子死亡後の嫡出否認)子が死亡した後でも、その直系卑属があるときは、その母を相手とし、母がなければ、検事を相手として、否認の訴を提起することができる。
第850条(遺言による嫡出否認)夫が遺言により否認の意思を表示したときは、遺言執行者は、否認の訴を提起しなければならない。
第851条(夫の子出主前の死亡及び嫡出否認)夫が子の出生前又は第847条第1項の期間内に死亡したときは、夫の直系尊属又は直系卑属に限り、その死亡を知った日から1年内に、否認の訴を提起することができる。
第852条(嫡出否認権の消滅)夫がその子の出生後に嫡出子であることを承認したときは、更に否認の訴を提起することができない。
第853条(訴訟終結後の嫡出承認)夫は、否認訴訟の終結後でも、その嫡出子であることを承認することができる。
第854条(詐欺、強迫による承認の取消し)前2条の承認が詐欺又は強迫によるときは、これを取り消すことができる。
第855条(認知)①婚姻外の出生子は、その生父又は生母がこれを認知することができる。父母の婚姻が無効であるときは、出生子は、婚姻外の出生子とみなす。
②婚姻外の出生子は、その父母が婚姻したときは、その時から婚姻中の出生子とみなす。
第856条(禁治産者の認知)父が禁治産者であるときは、後見人の同意を得て認知することができる。
第857条(死亡子の認知)子が死亡した後でも、その直系卑属があるときは、これを認知することができる。
第858条(懐胎中の子の認知)父は、懐胎中にある子に対しても、これを認知することができる。
第859条(認知の効力発生)①認知は、戸籍法に定めるところにより、申告することにより、その効力が生ずる。
②認知は、遺言によりも、これをすることができる。この場合は、遺言執行者がこれを申告しなければならない。
第860条(認知の遡及効)認知は、その子の出生の時に遡及して効力が生ずる。ただし、第三者の取得した権利を害することができない。
第861条(認知の取消し)詐欺、強迫若しくは重大な錯誤により認知をしたときは、詐欺若しくは錯誤を知った日又は強迫を免れた日から6月内に、裁判所の許可を得てこれを取り消すことができる。
第862条(認知に対する異議の訴)子その他の利害関係人は、認知の申告があることを知った日から1年内に、認知に対する異議の訴を提起することができる。
第863条(認知請求の訴)子及びその直系卑属又はその法定代理人は、父又は母を相手として、認知請求の訴を提起することができる。
第864条(父母の死亡及び認知請求の訴)前2条の場合に、父又は母が死亡したときは、その死亡を知った日から1年内に、検事を相手として、認知に対する異議又は認知請求の訴を提起することができる。
第865条(他の事由を原因とする嫡出子関係存否確認の訴)①第845条、第846条、第848条、第850条、第851条、第862条及び第863条の規定により訴を提起することができる者は、他の事由を原因として、嫡出子関係存否の確認の訴を提起することができる。
②前項の場合に、当事者一方が死亡したときは、その死亡を知った日から1年内に、検事を相手として、訴を提起することができる。
第2節 養子
第1款 縁組の要件
第866条(養子をする能力)成年に達した者は、養子をすることができる。
第867条 削除
第868条 削除
第869条(15歳未満者の縁組承諾)養子となる者が15歳未満であるときは、法定代理人がこれに代わって縁組の承諾をする。
第870条(縁組の同意)①養子となる者は、父母の同意を得なければならず、父母が死亡その他の事由により同意することができない場合に、他の直系尊属があれば、その同意を得なければならない。
②前項の場合に、直系尊属が数人であるときは、最近尊属を先順位とし、同順位者が数人であるときは、年長者を先順位とする。
第871条(未成年者の縁組の同意)養子となる者が成年に達しない場合に、父母又は他の直系尊属がなければ、後見人の同意を得なければならない。ただし、後見人が同意するにおいては、家庭裁判所の許可を得なければならない。
第872条(後見人と被後見人間の縁組)後見人が被後見人を養子とする場合は、家庭裁判所の許可を得なければならない。
第873条(禁治産者の縁組)禁治産者は、後見人の同意を得て、養子をすることができ、養子となることができる。
第874条(夫婦の共同縁組)①配偶者ある者が養子をするときは、配偶者と共同でしなければならない。
②配偶者のある者が養子となるときは、他の一方の同意を得なければならない。
第875条 削除
第876条 削除
第877条(養子の禁止)①尊属又は年長者は、これを養子とすることができない。
②削除
第878条(縁組の効力発生)①縁組は、戸籍法に定めるところにより、申告することにより、その効力を生ずる。
②前項の申告は、当事者双方及び成年者である証人2人の連署した書面でしなければならない。
第879条 削除
第880条 削除
第881条(縁組申告の審査)縁組の申告は、その縁組が第866条から第877条まで、第878条第2項の規定その他の法令に違反するところがないときは、これを受理しなければならない。
第882条(外国における縁組申告)第814条の規定は、縁組の場合に準用する。
第2款 縁組の無効及び取消し
第883条(縁組無効の原因)縁組は、次の各号の場合は、無効とする。
 1 当事者間に縁組の合意がないとき。
 2 第869条、第877条第1項の規定に違反したとき。
第884条(縁組取消しの原因)縁組は、次の各号の場合は、家庭裁判所にその取消しを請求することができる。
 1 縁組が第866条及び第870条から第874条までの規定に違反したとき。
 2 縁組の当時、養親子の一方に悪疾その他重要な事由があることを知ることができなかったとき。
 3 詐欺又は強迫により縁組の意思表示をしたとき。
第885条(縁組取消請求権者)縁組が第866条の規定に違反したときは、養父母、養子及びその法定代理人又は直系血族がその取消しを講求することができる。
第886条(同前)縁組が第870条の規定に違反したときは、同意権者がその取消しを請求することができ、第871条の規定に違反したときは、養子、法定代理人又は同意権者がその取消しを請求することができる。
第887条(同前)養子縁組が第872条の規定に違反したときは、被後見人又は親族会員がその取消しを請求することができ、第873条の規定に違反したときは、禁治産者又は後見人がその取消しを請求することができる。
第888条(同前)縁組が第874条の規定に違反したときは、配偶者は、その取消しを請求することができる。
第889条(縁組取消請求権の消滅)第866条の規定に違反した縁組は、養親が成年に達した後は、その取消しを請求することができない。
第890条 削除
第891条(同前)第871条の規定に違反した縁組は、養子が成年に達した後、3月を経過し、又は死亡したときは、その取消しを請求することができない。
第892条(同前)第872条の規定に違反した縁組は、後見の終了による管理計算の終了後、6月を経過すれば、その取消しを請求することができない。
第893条(同前)第873条の規定に違反した縁組は、禁治産宣告の取消しがあった後、3月を経過したときは、その取消しを請求することができない。
第894条(同前)第870条又は第874条の規定に違反した縁組は、その事由があることを知りた日から6月、その事由があった日から1年を経過すれば、その取消しを請求することができない。
第895条 削除
第896条(同前)第884条第2号の規定に該当する事由ある縁組は、養親子の一方がその事由あることを知った日から6月を経過すれば、その取消しを請求することができない。
第897条(準用規定)第823条、第824条の規定は、縁組の取消しに準用し、第806条の規定は、縁組の無効又は取消しに準用する。
第3款 離縁
第1項 協議上離縁
第898条(協議上の離縁)①養親子は、協議により離縁をすることができる。
②削除
第899条(15歳未満者の協議上離縁)養子が15歳未満であるときは、第869条の規定により縁組を承諾した者がこれに代わって離縁の協議をしなければならない。ただし、縁組を承諾した者が死亡その他の事由で協議をすることができないときは、生家の他の直系尊属がこれをしなければならない。
第900条(未成年者の協議上離縁)養子が未成年者であるときは、第871条の規定による同意権者の同意を得て、離縁の協議をすることができる。
第901条(準用規定)第899条及び第900条の場合、直系尊属が数人であるときは、第870条第2項を準用する。
第902条(禁治産者の協議上離縁)養親又は養子が禁治産者であるときは、後見人の同意を得て、離縁の協議をすることができる。
第903条(離縁申告の審査)離縁の申告は、その離縁が第878条第2項、第898条から前条までの規定その他の法令に違反することがなければ、これを受理しなければならない。
第904条(準用規定)第823条及び第878条の規定は、協議上離縁に準用する。
第2項 裁判上 離縁
第905条(裁判上離縁の原因)養親子の一方は、次の各号の事由がある場合は、家庭裁判所に離縁を請求することができる。
 1 家族の名誉を汚涜し、又は財産を傾けた重大な過失があるとき。
 2 他の一方又はその直系尊属から著しく不当な待遇を受けたとき。
 3 自己の直系尊属が他の一方から著しく不当な待遇を受けたとき。
 4 養子の生死が3年以上明らかでないとき。
 5 その他養親子関係を継続し難い重大な事由があるとき。
第906条(準用規定)第899条から第902条までの規定は、裁判上離縁の請求に準用する。
第907条(離縁請求権の消滅)第905条第1号から第3号まで及び第5号の事由は、他の一方がこれを知った日から6月、その事由があった日から3年を経過すれば、離縁を請求することができない。
第908条(離縁及び損害賠償請求権)第806条の規定は、裁判上離縁に準用する。
第3節 親権
第1款 総則
第909条(親権者)①未成年者である子は、父母の親権に服する。
②親権は、父母が婚姻中であるときは、父母が共同でこれを行使する。ただし、父母の意見が一致しない場合は、当事者の請求により家庭裁判所がこれを定める。
③父母の一方が親権を行使することができないときは、他の一方がこれを行使する。
④婚姻外の子が認知された場合及び父母が離婚した場合は、父母の協議で親権を行使する者を定め、協議することができず、又は協議が成立しない場合は、当事者の請求により家庭裁判所がこれを定める。親権者を変更する必要がある場合もまた同様である。
⑤養子は、養父母の親権に服する。
第910条(子の親権の代行)親権者は、その親権に服する子に代わって、その子に対する親権を行使する。
第910条(未成年者である子の法定代理人)親権を行使する父又は母は、未成年者である子の法定代理人となる。
第912条 削除
第2款 親権の効力
第913条(保護、教養の権利義務)親権者は、子を保護し、教養する権利義務がある。
第914条(居所指定権)子は、親権者の指定した場所に居住しなければならない。
第915条(懲戒権)親権者は、その子を保護又は教養するために必要な懲戒をすることができ、裁判所の許可を得て、感化又は矯正の機関に委託することができる。
第916条(子の特有財産及びその普理)子が自己の名義で取得した財産は、その特有財産とし、法定代理人である親権者がこれを管理する。
第917条 削除
第918条(第三者が無償で子に授与した財産の管理①無償で子に財産を授与した第三者が親権者の管理に反対する意思を表示したときは、親権者は、その財産を管理することができない。
②前項の場合に、第三者がその財産管理人を指定しないときは、裁判所は、財産の授与を受けた子又は第777条の規定による親族の請求により、管理人を選任する。
③第三者の指定した管理人の権限が消滅し、又は管理人を改任する必要がある場合に、第三者が更に管理人を指定しないときも、前項と同様である。
④第24条第1項、第2項、第4項、第25条前段及び第26条第1項、第2項の規定は、前2項の場合に準用する。
第919条(委任に関する規定の準用)第691条、第692条の規定は、前3条の財産管理に準用する。
第920条(子の財産に関する親権者の代理権)法定代理人である親権者は、子の財産に関する法律行為に対して、その子を代理する。ただし、その子の行為を目的とする債務を負担する場合は、本人の同意を得なければならない。
第920条の2(共同親権者の一方が共同名義でした行為の効力)父母が共同で親権を行使する場合、父母の一方が共同名義で子を代理し、又は子の法律行為に同意したときは、他の一方の意思に反するときにも、その行為は効力がある。ただし、相手方が悪意のときは、この限りでない。
第921条(親権者と子間又は数人の子間の利害相反行為)①法定代理人である親権者とその子間で利害相反する行為をするには、親権者は、裁判所に、その子の特別代理人の選任を請求しなければならない。
②法定代理人である親権者がその親権に服する数人の子間で利害相反する行為をするには、裁判所に、その子の一方の特別代理人の選任を講求しなければならない。
第922条(親権者の注意義務)親権者がその子に対する法律行為の代理権又は財産管理権を行使するには、自己の財産に関する行為と同一の注意をしなければならない。
第923条(財産管理の計算)①法定代理人である親権者の権限が消滅したときは、その子の財産に対する管理の計算をしなければならない。
②前項の場合に、その子の財産から収取した果実は、その子の養育及び財産管理の費用と相殺したものとみなす。ただし、無償で子に財産を授与した第三者が反対の意思を表示したときは、その財産に関しては、この限りでない。
第3款 親権の喪失
第924条(親権喪失の宣告)父又は母が親権を濫用し、又は顕著な非行その他親権を行使させることができない重大な事由があるときは、裁判所は、第777条の規定による子の親族又は検事の請求により、その親権の喪失を宣告することができる。
第925条(代理権又は管理権喪失の宣告)法定代理人である親権者が不適当な管理により子の財産を危うくしたときは、裁判所は、第777条の規定による子の親族の請求により、その法律行為の代理権及び財産管理権の喪失を宣告することができる。
第926条(失権回復の宣告)前2条の原因が消滅したときは、裁判所は、本人又は第777条の規定による親族の請求により、失権の回復を宣告することができる。
第927条(代理権、管理権の辞退及び回復)①法定代理人である親権者は、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て、その法律行為の代理権及び財産管理権を辞退することができる。
②前項の事由が消滅したときは、その親権者は、裁判所の許可を得て、辞退した権利を回復することができる。
第5章 後見
第1節 後見人
第928条(未成年者に対する後見の開始)未成年者に対して、親権者がなく、又は親権者が法律行為の代理権及び財産管理権を行使することができないときは、その後見人を置かなければならない。
第929条(禁治産者等に対する後見の開始)禁治産又は限定治産の宣告があるときは、その宣告を受けた者の後見人を置かなければならない。
第930条(後見人の数)後見人は、1人とする。
第931条(遺言による後見人の指定)未成年者に対して親権を行使する父母は、遺言で未成年者の後見人を指定することができる。ただし、法律行為の代理権及び財産管理権のない親権者は、これを指定することができない。
第932条(未成年者の後見人の順位)前条の規定による後見人の指定がないときは、未成年者の直系血族、3親等以内の傍系血族の順位で、後見人となる。
第933条(禁治産者等の後見人の順位)禁治産又は限定治産の宣告があるときは、その宣告を受けた者の直系血族、3親等以内の傍系血族の順位で、後見人となる。
第934条(既婚者の後見人の順位)既婚者が禁治産又は限定治産の宣告を受けたときは、配偶者が後見人となる。ただし、配偶者も禁治産又は限定治産の宣告を受けたときは、前条の順位による。
第935条(後見人の順位)①前3条の規定による直系血族又は傍系血族が数人であるときは、最近親を先順位とし、同順位者が数人であるときは、年長者を先順位とする。
②前項の規定にかかわらず、養子の実父母及び養父母がともに存するときは、養父母を先順位とし、その他の生家血族及び養家血族の親等が同順位であるときは、養家血族を先順位とする。
第936条(裁判所による後見人の選任)①前4条の規定により後見人となる者がない場合は、裁判所は、第777条の規定による被後見人の親族その他利害関係人の請求により、後見人を選任しなければならない。
②後見人が死亡、欠格その他の事由により欠けたときに、前4条の規定により後見人となる者がないときも、前項と同様である。
第937条(後見人の欠格事由)次の各号に該当する者は、後見人となることができない。
 1 未成年者
 2 禁治産者、限定治産者
 3 破産者
 4 資格停止以上の刑の宣告を受けて、その刑期中にある者
 5 裁判所で解任された法定代理人又は親族会員
 6 行方が不明な者
 7 被後見人に対して訴訟をし、若しくはしている者又はその配偶者及び直系血族
第938条(後見人の代理権)後見人は、被後見人の法定代理人となる。
第939条(後見人の辞退)後見人は、正当な事由あるときは、裁判所の許可を得て、これを辞退することができる。
第940条(後見人の解任)後見人に顕著な非行があり、又はその任務に関して不正行為その他後見人の任務に適しない事由があるときは、裁判所は、被後見人又は第777条の規定による親族の請求により、後見人を解任することができる。
第2節 後見人の任務
第941条(財産調査及び目録作成)①後見人は、遅滞なく被後見人の財産を調査して、2月以内にその目録を作成しなければならない。ただし、正当な事由あるときは、裁判所の許可を得て、その期間を延長することができる。
②前項の財産調査及び目録作成は、親族会が指定した会員の参与がなければ、効力がない。
第942条(後見人の債権、債務の提示)①後見人及び被後見人間に債権、債務の関係があるときは、後見人は、財産目録の作成を完了する前に、その内容を親族会又は親族会の指定した会員に指示しなければならない。
②後見人が被後見人に対する債権があることを知り前項の提示を懈怠したときは、その債権を放棄したものとみなす。
第943条(目録作成前の権限)後見人は、財産調査及び目録作成を完了するまでは、緊急必要の場合でなければ、その財産に関する権限を行使することができない。ただし、これにより善意の第三者に対抗することができない。
第944条(被後見人が取得した包括的財産の調査等)前3条の規定は、後見人の就任後に被後見人が包括的財産を取得した場合に準用する。
第945条(未成年者の身分に関する後見人の権利義務)未成年者の後見人は、第913条から第915条までに規定した事項に関しては、親権者と同一の権利義務がある。ただし、親権者が定めた教養方法若しくは居所を変更し、被後見人を感化若しくは矯正の機関に委託し、親権者が許諾した営業を取り消し、又はこれを制限するには、親族会の同意を得なければならない。
第946条(財産管理に限った後見)親権者が法律行為の代理権及び財産管理権に限り親権を行使することができない場合は、後見人の任務は、未成年者の財産に関する行為に限る。
第947条(禁治産者の療養、監護)①禁治産者の後見人は、禁治産者の療養、監護に、日常の注意を懈怠してはならない。
②後見人が禁治産者を私宅に監禁し、又は精神病院その他他の場所に監禁治療するには、裁判所の許可を得なければならない。ただし、緊急を要する状態であるときは、事後に許可を請求することができる。
第948条(未成年者の親権の代行)①後見人は、被後見人に代わって、その干に対する親権を行使する。
②前項の親権行使には、後見人の任務に関する規定を準用する。
第949条(財産管理権及び代理権)①後見人は、被後見人の財産を管理し、その財産に関する法律行為に対して被後見人を代理する。
②第920条ただし書の規定は、前項の法律行為に準用する。
第950条(法定代理権及び同意権の制限)①後見人が被後見人に代わって次の各号の行為をし、又は未成年者若しくは限定治産者の次の各号の行為に同意をするには、親族会の同意を得なければならない。
 1 営業をすること。
 2 借財又は保証をすること。
 3 不動産又は重要な財産に関する権利の得喪変更を目的とする行為をすること。
 4 訴訟行為をすること。
②前項の規定に違反した行為は、被後見人又は親族会が、これを取り消すことができる。
第951条(被後見人に対する権利の譲受)①後見人が被後見人に対する第三者の権利を譲り受けるには、親族会の同意を得なければならない。
②前項の規定に違反した行為は、被後見人又は親族会が、これを取り消すことができる。
第952条(相手方に対する追認をするか否かの催告)第15条の規定は、前2条の場合に、相手方の親族会に対して追認をするか否かの催告に準用する。
第953条(親族会の後見事務の監督)親族会は、いつでも、後見人に対してその任務遂行に関する報告及び財産目録の提出を要求することができ、又は被後見人の財産の状況を調査することができる。
第954条(裁判所の後見事務に関する処分)裁判所は、被後見人又は第777条の規定による親族その他利害関係人の請求により、被後見人の財産状況を調査し、財産管理その他後見任務遂行に関して必要な処分を命ずることができる。
第955条(接見人に対する報酬)裁判所は、後見人の請求により、被後見人の財産状態その他の事情を参酌して、被後見人の財産中から相当な報酬を後見人に授与することができる。
第956条(委任及び親権の規定の準用)第681条及び第918条の規定は、後見人にこれを準用する。
第3節 後見の終了
第957条(後見事務の終了及び管理の計算)①後見人の任務が終了したときは、後見人又はその相続人は、1月内に、被後見人の財産に関する計算をしなければならない。ただし、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て、その期間を延長することができる。
②前項の計算は、親族会が指定した会員の参与がなければ、効力がない。
第958条(利子の付加及び金銭消費に対する責任)①後見人が被後見人に支払うべき金額又は被後見人が後見人に支払うべき金額には、計算終了の日から、利子を付加しなければならない。
②後見人が自己のために被後見人の金銭を消費したときは、その消費した日から、利子を付加し、また、被後見人に損害があれば、これを賠償しなければならない。
第959条(委任規定の準用)第691条、第692条の規定は、後見の終了にこれを準用する。
第6章 親族会
第960条(親族会の組織)本法その他の法律の規定により親族会の決議を要する事由があるときは、親族会を組織する。
第961条(親族会員の数)①親族会員は、3人以上10人以下とする。
②親族会に代表者1人を置き、親族会員中から互選する。
③前項の代表者は、訴訟行為その他外部に対する行為において、親族会を代表する。
第962条(親権者の親族会員指定)後見人を指定することができる親権者は、未成年者の親族会員を指定することができる。
第963条(親族会員の選任)①親族会員は、本人、その法定代理人、第777条の規定による親族又は利害関係人の請求により、裁判所が、第777条の規定によるその親族又は本人若しくはその家に縁故ある者の中から、これを選任する。ただし、前条の規定により親族会員が指定されたときは、この限りでない。
②前項の規定による請求をすることができる者は、親族会の員数及びその選任に関して、裁判所に意見書を提出することができる。
第964条(親族会員の欠格事由)①後見人は、後見の計算を完了した後でなければ、被後見人の親族会員となることができない。
②第937条の規定は、親族会員に準用する。
第965条(無能力者のための常設親族会)①未成年者、禁治産者又は限定治産者のための親族会は、その無能力の事由が終了するときまで継続する。
②前項の親族会に欠員が生じたときは、裁判所は、職権又は請求により、これを補充しなければならない。
第966条(親族会の召集)親族会は、本人、その法定代理人、配偶者、直系血族、戸主、会員、利害関係人又は検事の請求により、家庭裁判所が、これを召集する。
第967条(親族会の決議方法)①親族会の議事は、会員過半数の賛成により決定する。
②前項の議事に関して利害関係ある会員は、その決議に参加することができない。
③親族会員過半数の賛成で行った書面決議により親族会の決議に代えた場合は、前条の規定により親族会の召集を請求することができる者は、2月内に、その取消しを裁判所に請求することができる。
第968条(親族会における意見開陳)本人、その法定代理人、配偶者、直系血族、4親等以内の傍系血族及び戸主は、親族会に出席して意見を開陳することができる。
第969条(親族会の決議に代わる裁判)親族会が決議をすることができず、又は決議をしないときは、親族会の召集を請求することができる者は、その決議に代わる裁判を裁判所に請求することができる。
第970条(親族会員の辞退)親族会員は、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て、これを辞退することができる。
第971条(親族会員の解任)①親族会員にその任務に関して不正行為その他適当でない事由があるときは、裁判所は、職権、又は本人、その法定代理人、第777条の規定による本人の親族若しくは利害関係人の請求により、その親族会員を改任又は解任することができる。
②裁判所は、適当と認めるときは、職権、又は本人、その法定代理人、第777条の規定による本人の親族若しくは利害関係人の請求により、親族会員を増員選任することができる。
第972条(親族会の決議及び異議の訴)親族会の召集を請求することができる者は、親族会の決議に対して、2月内に、異議の訴を提起することができる。
第973条(親族会員の善管義務)第681条の規定は、親族会員に準用する。
第7章 扶養
第974条(扶養義務)次の各号の親族は、互いに扶養の義務がある。
 1 直系血族及びその配偶者間
 2 削除
 3 その他の親族間(生計を同じくする場合に限る。)
第975条(扶養義務及び生活能力)扶養の義務は、扶養を受ける者が自己の資力又は勤労により生活を維持することができない場合に限り、これを履行する責任がある。
第976条(扶養の順位)①扶養の義務ある者が数人である場合に、扶養をする者の順位に関して当事者間に協定がないときは、裁判所は、当事者の請求によりこれを定める。扶養を受ける権利者が数人である場合に、扶養義務者の資力が全員を扶養することができないときも、同様である。
②前項の場合に、裁判所は、数人の扶養義務者又は権利者を選定することができる。
第977条(扶養の程度、方法)扶養の程度又は方法に関して、当事者間に協定がないときは、裁判所は、当事者の請求により、扶養を受ける者の生活程度及び扶養義務者の資力その他諸般事情を参酌して、これを定める。
第978条(扶養関係の変更又は取消し)扶養をする者若しくは扶養を受ける者の順位、扶養の程度若しくは方法に関する当事者の協定又は裁判所の判決があった後、これに関する事情変更があるときは、裁判所は、当事者の請求により、その協定若しくは判決を取り消し、又は変更することができる。
第979条(扶養請求権処分の禁止)扶養を受ける権利は、これを処分することができない。
第8章 戸主承継
第1節 総則
第980条(戸主承継開始の原因)戸主承継は、次の各号の事由により開始する。
 1 戸主が死亡し、又は国籍を喪失したとき。
 2 養子である戸主が縁組の無効又は取消しにより離籍したとき。
 3 女戸主が親家に復籍し、又は婚姻により他家に入籍したとき。
 4 削除
第981条(戸主承継開始の場所)戸主承継は、被承継人の住所地において開始する。
第982条(戸主承継回復の訴え)①戸主承継権が僭称戸主により侵害されたときは、承継権者又はその法定代理人は、戸主承継回復の訴えを提起することができる。
②前項の戸主承継回復請求権は、その侵害を知った日から3年、承継が開始した日から10年を経過すれば消滅する。
第983条 削除
第2節 戸主承継人
第984条(戸主承継の順位)戸主承継においては、次の順位で承継人となる。
 1 被承継人の直系卑属男子
 2 被承継人の家族である直系卑属女子
 3 被承継人の妻
 4 被承継人の家族である直系尊属女子
 5 被承継人の家族である直系卑属の妻
第985条(同前)①前条の規定による同順位の直系卑属が数人であるときは、最近親を先順位とし、同親等の直系卑属中においては、婚姻中の出生子を先順位とする。
②前項の規定により順位同一の者が数人であるときは、年長者を先順位とする。ただし、前条第5号に該当する直系卑属の妻が数人であるときは、その夫の順位による。
③養子は、縁組をしたときに出生したものとみなす。
第986条(同前)第984条第4号の直系尊属が数人であるときは、最近親を先順位とする。
第987条(戸主承継権なき生母)養子である被承継人の生母又は被承継人の父と婚姻関係なき生母は、被承継人の家族である場合にも、その戸主承継人となることができない。ただし、被承継人が分家又は一家創立の戸主であるときは、この限りでない。
第988条 削除
第989条(婚姻外出生子の相続順位)第855条第2項の規定により婚姻中の出生子となった者の承継順位に関しては、その父母が婚姻したときに出生したものとみなす。
第990条 削除
第991条(戸主承継権の放棄)戸主承継権は、これを放棄することができる。
第992条(承継人の欠格事由)次の各号に該当する者は、戸主承継人となることができない。
 1 故意に直系尊属、被承継人、その配偶者又は戸主承継の先順位者を殺害し、又は殺害しようとした者
 2 故意に直系尊属、被承継人又はその配偶者に傷害を加えて死亡に至らしめた者
 3 削除
 4 削除
 5 削除
第993条(女戸主及びその承縦人)女戸主の死亡又は離籍による戸主承継には、第984条の規定による直系卑属又は直系尊属がある場合にも、その直系卑属がその家の系統を継承する血族でなければ、戸主承継人となることがでぎない。ただし、被承継人が分家又は一家を創立した女戸主である場合は、この限りでない。
第994条(承継権争訟及び財産管理に関する裁判所の処分)①承継開始した後、承継権の存否及びその順位に影響ある争訟が裁判所に係属したときは、裁判所は、被承継人の配偶者、4親等以内の親族その他利害関係人の請求により、その承継財産の管理に必要な処分をしなければならない。
②裁判所が財産管理人を選任した場合は、第24条から第26条までの規定を準用する。
第3節 戸主承継の効力
第995条(承継及び権利義務の承縦)戸主承継人は、承継が開始したときから、戸主の権利義務を承継する。ただし、前戸主の一身に専属したものは、この限りでない。
第996条 削除
第5編 相続
第1章 相続
第1節 総則
第997条(相続開始の原因)相続は、死亡により開始する。
第998条(相続開始の場所)相続は、被相続人の住所地において開始する。
第998条の2(相続費用)相続に関する費用は、相続財産中から支払う。
第999条(相続回復請求権)①相続権が僭称相続権者により侵害されたときは、相続権者又はその法定代理人は、相続回復の訴えを提起することができる。
②前項の相続回復請求権は、その侵害を知った日から3年、相続が開始した日から10年を経過すれば、消滅する。
第2節 相続人
第1000条(相続の順位)①相続においては、次の順位で相続人となる。
 1 被相続人の直系卑属
 2 被相続人の直系尊属
 3 被相続人の兄弟姉妹
 4 被相続人の4親等内の傍系血族
②前項の場合に、同順位の相続人が数人であるときは、最近親を先順位とし、同親等の相続人が数人であるときは、共同相続人となる。
③胎児は、相続順位に関しては、既に出生したものとみなす。
第1001条(代襲相続)前条第1項第1号及び第3号の規定により相続人となる直系卑属又は兄弟姉妹が、相続開始前に、死亡し、又は欠格者となった場合に、その直系卑属があるときは、その直系卑属が、死亡し又は欠格となった者の順位に代わって、相続人となる。
第1002条 削除
第1003条(配偶者の相続順位)①被相続人の配偶者は、第1000条第1項第1号及び第2号の規定による相続人がある場合は、その相続人と同順位で共同相続人となり、その相続人がないときは、単独相続人となる。
②第1001条の場合に、相続開始前に死亡又は欠格となった者の配偶者は、同条の規定による相続人と同順位で共同相続人となり、その相続人がないときは、単独相続人となる。
第1004条(相続人の欠格事由)次の各号に該当する者は、相続人となることができない。
 1 故意に直系尊属、被相続人、その配偶者又は相続の先順位若しくは同順位にある者を殺害し、又は殺害しようとした者
 2 故意に直系尊属、被相続人及びその配偶者に傷害を加えて死亡に至らしめた者
 3 許欺又は強迫により被相続人の養子その他相続に関する遺言又は遺言の撤回を妨害した者
 4 許欺又は強迫により被相続人の養子その他相続に関する遺言をさせた者
 5 被相続人の養子その他相続に関する遺言書を偽造、変造、破棄又は隠匿した者
第3節 相続の効力
第1款 一般的効力
第1005条(相続及び包括的権利義務の承継)相続人は、相続が開始したときから、被相続人の財産に関する包括的権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
第1006条(共同相続及び財産の共有)相続人が数人であるときは、相続財産は、その共有とする。
第1007条(共同相続人の権利義務承継)共同相続人は、各自の相続分に応じて、被相続人の権利義務を承継する。
第1008条(特別受益者の相続分)共同相続人中に、被相続人から財産の贈与又は遺贈を受けた者がある場合に、その受贈財産が自己の相続分に達することができないときは、その不足する部分の限度において相続分がある。
第1008条の2(寄与分)①共同相続人中に被相続人の財産の維持又は増加に関して特別に寄与した者(被相続人を特別に扶養した者を含む。)があるときは、相続開始当時の被相続人の財産価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第1009条及び第1010条により算定した相続分に寄与分を加算した額をもってその者の相続分とする。
②前項の協議が調わず、又は協議することができないときは、家庭裁判所は、前項に規定された寄与者の請求により、寄与の時期、方法及び程度並びに相続財産の額その他の事情を参酌して寄与分を定める。
③寄与分は、相続が開始された時の被相続人の財産価額から遺贈の価額を控除した額を超えることができない。
④第2項の規定による請求は、第1013条第2項の規定による請求がある場合又は第1014条に規定する場合にすることができる。
第1008条の3(墳墓等の承継)墳墓に属する1町歩以内の禁養林野及び600坪以内の墓土である農地、族譜並びに祭具の所有権は、祭祀を主宰する者がこれを承継する。
第2款 相続分
第1009条(法定相続分)①同順位の相続人が数人であるときは、その相続分は、均分とする。
②被相続人の配偶者の相続分は、直系卑属と共同で相続するときは、直系卑属の相続分の5割を加算し、直系尊属と共同で相続するときは、直系尊属の相続分の5割を加算する。
③削除
第1010条(代襲相続分)①第1001条の規定により死亡、又は欠格となった者に代わって相続人となった者の相続分は、死亡、又は欠格となった者の相続分による。
②前項の場合に、死亡、又は欠格となった者の直系卑属が数人であるときは、その相続分は、死亡、又は欠格となった者の相続分の限度において、第1009条の規定により、これを定める。第1003条第2項の場合にも、また同様である。
第1011条(共同相続分の譲受)①共同相続人中に、その相続分を第三者に譲渡した者があるときは、他の共同相続人は、その価額及び讓渡費用を償還し、その相続分を譲り受けることができる。
②前項の権利は、その事由を知った日から3月、その事由があった日から1年内に行使しなければならない。
第3款 相続財産の分割
第1012条(遺言による分割方法の指定、分割禁止)被相続人は、遺言により、相続財産の分割方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託することができ、相続開始の日から5年を超えない期間内のその分割を禁止することができる。
第1013条(協議による分割)①前条の場合のほかは、共同相続人は、いつでも、その協議により、相続財産を分割することができる。
②第269条の規定は、前項の相続財産の分割に準用する。
第1014条(分割後の被認知者等の請求権)相続開始後の認知又は裁判の確定により共同相続人となった者が相続財産の分割を請求する場合に、他の共同相続人が既に分割その他の処分をしたときは、その相続分に相当する価額の支払いを請求する権利がある。
第1015条(分割の遡及効)相続財産の分割は、相続が開始したときに遡及してその効力がある。ただし、第三者の権利を害することができない。
第1016条(共同相続人の担保責任)共同相続人は、他の共同相続人が分割により取得した財産に対して、その相続分に応じて、売渡人と同じ担保責任がある。
第1017条(相続債務者の資力に対する担保責任)①共同相続人は、他の相続人が分割により取得した債権に対して、分割当時の債務者の資力を担保する。
③弁済期に達しない債権又は停止条件ある債権に対しては、弁済を請求することができるときの債務者の資力を担保する。
第1018条(無資力共同相続人の担保責任の分担)担保責任ある共同相続人中に償還の資力がないものがあるときは、その負担部分は、求償権者及び資力のある他の共同相続人が、その相続分に応じて分担する。ただし、求償権者の過失により償還を受けることができないときは、他の共同相続人に分担を請求することができない。
第4節 相続の承認及び放棄
第1款 総則
第1019条(承認、放棄の期間)①相続人は、相続開始があったことを知った日から3月内に、単純承認若しくは限定承認又は放棄をすることができる。ただし、その期間は、利害関係人又は検事の請求により、家庭裁判所が、これを延長することができる。
②相続人は、前項の承認又は放棄をする前に、相続財産を調査することができる。
第1020条(無能力者の承認、放棄の期間)相続人が無能力者であるときは、前条第1項の期間は、その法定代理人が相続の開始があったことを知った日から起算する。
第1021条(承認、放棄期間の計算に関する特則)相続人が承認又は放棄をせず、第1019条第1項の期間内に死亡したときは、その者の相続人が自己の相続開始があったことを知った日から、第1019条第1項の期間を起算する。
第1022条(相続財産の管理)相続人は、その固有財産に対すると同一の注意をもって、相続財産を管理しなければならない。ただし、単純承認又は放棄をしたときは、この限りでない。
第1023条(相続財産保存に必要な処分)①裁判所は、利害関係人又は検事の請求により、相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる。
②裁判所が財産管理人を選任した場合は、第24条から第26条までの規定を準用する。
第1024条(承認、放棄の取消禁止)①相続の承認又は放棄は、第1019条第1項の期間内でも、これを取り消すことができない。
②前項の規定は、総則編の規定による取消しに影響を及ぼさない。ただし、その取消権は、追認することができる日から3月、承認又は放棄した日から1年内に行使しないときは、時効により消滅する。
第2款 単純承認
第1025条(単純承認の効果)相続人が単純承認をしたときは、制限なく被相続人の権利義務を承継する。
第1026条(法定単純承認)次の各号の事由がある場合は、相続人が単純承認したものとみなす。
 1 相続人が相続財産に対する処分行為をしたとき。
 2 相続人が第1019条第1項の期間内に限定承認又は放棄をしなかったとき。
 3 相続人が、限定承認又は放棄をした後に、相続財産を隠匿し、不正消費をし、又は故意に財産目録に記入しなかったとき。
第1027条(法定単純承認の例外)相続人が相続を放棄したことにより、次順位相続人が相続を承認したときは、前条第3号の事由は、相続の承認とみなさない。
第3款 限定承認
第1028条(限定承認の効果)相続人は、相続により取得する財産の限度において被相続人の債務及び遺贈を弁済することを条件として、相続を承認することができる。
第1029条(共同相続人の限定承認)相続人が数人であるときは、各相続人は、各相続分に応じて取得する財産の限度において、その相続分に応じた被相続人の債務及び遺贈を弁済することを条件として、相続を承認することができる。
第1030条(限定承認の方式)相続人が限定承認をするには、第1019条第1項の期間内に、相続財産の目録を添付して裁判所に限定承認の申告をしなければならない。
第1031条(限定承認及び財産上権利義務の不消滅)相続人が限定承認をしたときは、被相続人に対する相続人の財産上権利義務は、消滅しない。
第1032条(債権者に対する公告、催告)①限定承認者は、限定承認をした日から5日内に、一般の相続債権者及び遺贈を受けた者に対して、限定承認の事実及び一定の期間内にその債権又は受贈を申告すべき旨を公告しなければならない。その期間は、2月以上でなければならない。
②第88条第2項、第3項及び第89条の規定は、前項の場合に準用する。
第1033条(催告期間中の弁済拒絶)限定承認者は、前条第1項の期間の満了前には、相続債権の弁済を担絶することができる。
第1034条(配当弁済)限定承認者は、第1032条第1項の期間満了後、相続財産により、その期間内に申告した債権者及び限定承認者が知っている債権者に対して、各債権額の比率で弁済しなければならない。ただし、優先権ある債権者の権利を害することができない。
第1035条(弁済期前の債務等の弁済)①限定承認者は、弁済期に至らない債権に対しても、前条の規定により弁済しなければならない。
②条件ある債権又は存続期間の不確定な債権は、裁判所の選任した鑑定人の評価により弁済しなければならない。
第1036条(受贈者への弁済)限定承認者は、前2条の規定により相続債権者に対する弁済を完了した後でなければ、遺贈を受けた者に弁済をすることができない。
第1037条(相続財産の競売)前3条の規定による弁済をするために相続財産の全部又は一部を売却する必要があるときは、競売法により競売しなければならない。
第1038条(不当弁済による責任)①限定承認者が、第1032条の規定による公告若しくは催告を懈怠し、又は第1033条から第1036条までの規定に違反して、ある相続債権者若しくは遺贈を受けた者に弁済したことにより、他の相続債権者若しくは遺贈を受けた者に対して弁済をすることができなくなったときは、限定承認者は、その損害を賠償しなければならない。
②前項の場合に、弁済を受けることができなかった相続債権者又は遺贈を受けた者は、その事情を知り弁済を受けた相続債権者又は遺贈を受けた者に対して、求償権を行使することができる。
③第766条の規定は、前2項の場合に準用する。
第1039条(申告しなかった債権者等)第1032条第1項の期間内に申告しなかった相続債権者及び遺贈を受けた者であって、限定承認者が知ることができなかった者は、相続財産の残余がある場合に限り、その弁済を受けることができる。ただし、相続財産に対して特別担保権を有するときは、この限りでない。
第1040条(共同相続財産及びその管理人の選任)①相続人が数人である場合は、裁判所は、各相続人その他利害関係人の請求により、共同相続人中から、相続財産管理人を選任することができる。
②裁判所が選任した管理人は、共同相続人を代表して相続財産の管理及び債務の弁済に関するすべての行為をする権利義務がある。
③第1022条、第1032条から前条までの規定は、前項の管理人に準用する。ただし、第1032条の規定により公告をする5日の期間は、管理人がその選任を知った日から起算する。
第4款 放棄
第1041条(放棄の方式)相続人が相続を放棄するときは、第1019条第1項の期間内に、家庭裁判所に放棄の申告をしなければならない。
第1042条(放棄の遡及効)相続の放棄は、相続が開始したときに遡及してその効力がある。
第1043条(放棄した相続財産の帰属)相続人が数人である場合に、ある相続人が相続を放棄したときは、その相続分は、他の相続人の相続分の比率でその相続人に帰属する。
第1044条(放棄した相続財産の管理継続義務)①相続を放棄した者は、その放棄により相続人となった者が相続財産を管理することができるときまで、その財産の管理を継続しなければならない。
②第1022条及び第1023条の規定は、前項の財産管理に準用する。
第5節 財産の分離
第1045条(相続財産の分離請求権)①相続債権者若しくは遺贈を受けた者又は相続人の債権者は、相続が開始した日から3月内に、相続財産と相続人の固有財産の分離を裁判所に請求することができる。
②相続人が相続の承認又は放棄をしない間は、前項の期間経過後にも、財産の分離を請求することができる。
第1046条(分離命令及び債権者等に対する公告、催告)①裁判所が前条の請求により財産の分離を命じたときは、その請求者は、5日内に、一般相続債権者及び遺贈を受けた者に対して、財産分離の命令があった事実及び一定の期間内にその債権又は受贈を申告すべき旨を公告しなければならない。その期間は、2月以上でなければならない。
②第88条第2項、第3項及び第89条の規定は、前項の場合に準用する。
第1047条(分離後の相続財産の管理)①裁判所が財産の分離を命じたときは、相続財産の管理に関して、必要な処分を命ずることができる。
③裁判所が財産管理人を選任した場合は、第24条から第26条までの規定を準用する。
第1048条(分離後の相続人の管理義務)①相続人が単純承認をした後にも、財産分離の命令があるときは、相続財産に対して、自己の固有財産と同一の注意をもって管理をしなければならない。
②第683条から第685条まで及び第688条第1項、第2項の規定は、前項の財産管理に準用する。
第1049条(財産分離の対抗要件)財産の分離は、相続財産である不動産に関しては、これを登記しなければ、第三者に対抗することができない。
第1050条(財産分離及び権利義務の不消滅)財産分離の命令があるときは、被相続人に対する相続人の財産上の権利義務は消滅しない。
第1051条(弁済の拒絶及び配当弁済)①相続人は、第1045条及び第1046条の期間満了前には、相続債権者及び遺贈を受けた者に対して弁済を拒絶することができる。
②前項の期間満了後に、相続人は、相続財産により、財産分離の請求又はその期間内に申告した相続債権者、遺贈を受けた者及び相続人が知っている相続債権者、遺贈を受けた者に対して、各債権額又は受贈額の比率で弁済しなければならない。ただし、優先権ある債権者の権利を害することができない。
③第1035条から第1038条までの規定は、前項の場合に準用する。
第1052条(固有財産からの弁済)①前条の規定による相続債権者及び遺贈を受けた者は、相続財産により全額の弁済を受けることができない場合に限り、相続人の固有財産からその弁済を受けることができる。
②前項の場合に、相続人の債権者は、相続人の固有財産から優先弁済を受ける権利がある。
第6節 相続人の不存在
第1053条(相続人のない財産の管理人)①相続人の存否が明らかでないときは、裁判所は、第777条の規定による被相続人の親族その他利害関係人又は検事の請求により、相続財産管理人を選任し、遅滞なく、これを公告しなければならない。
②第24条から第26条までの規定は、前項の財産管理人に準用する。
第1054条(財産目録提示及び状況報告)管理人は、相続債権者又は遺贈を受けた者の請求があるときは、いつでも、相続財産の目録を提示し、その状況を報告しなければならない。
第1055条(相続人の存在が明らかになった場合)①管理人の任務は、その相続人が相続の承認をした時に終了する。
②前項の場合は、管理人は、遅滞なく、その相続人に対して管理の計算をしなければならない。
第1056条(相続人のない財産の清算)①第1053条第1項の公告があった日から3月内に相続人の存否を知ることができないときは、管理人は、遅滞なく一般相続債権者及び遺贈を受けた者に対して、一定の期間内にその債権又は受贈を申告すべき旨を公告しなければならない。その期間は、2月以上でなければならない。
②第88条第2項、第3項、第89条、第1033条から第1039条までの規定は、前項の場合に準用する。
第1057条(相続人捜索の公告)前条第1項の期間が経過しても相続人の存否を知ることができないときは、裁判所は、管理人の請求により、相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。その期間は、2年以上でなければならない。
第1057条の2(特別縁故者に対する分与)①第1056条の期間内に相続権を主張する者がないときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護をした者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求により、相続財産の全部又は一部を分与することができる。
②前項の請求は、第1056条の期間の満了後2月以内にしなければならない。
第1058条(相続財産の国家帰属)①前条の期間内に相続権を主張する者がないときは、相続財産は、国に帰属する。
②第1055条第2項の規定は、前項の場合に準用する。
第1059条(国家帰属財産に対する弁済請求の禁止)前条第1項の場合は、相続財産により弁済を受けることができなかった相続債権者又は遺贈を受けた者があるときにも、国に対してその弁済を請求することができない。
第2章 遺言
第1節 総則
第1060条(遺言の要式性)遺言は、本法の定める方式によらなければ、効力が生じない。
第1061条(遺言適齢)満17歳に達しない者は、遺言をすることができない。
第1062条(無能力者及び遺言)第5条、第10条及び第13条の規定は、遺言に関しては、これを適用しない。
第1063条(禁治産者の遺言能力)①禁治産者は、その意思能力が回復したときに限り、遺言をすることができる。
②前項の場合は、医師が心神回復の状態を遺言書に付記し、署名捺印しなければならない。
第1064条(遺言及び胎児、相続欠格者)第1000条策3項、第1004条の規定は、受贈者に準用する。
第2節 遺言の方式
第1065条(遺言の普通方式)遺言の方式は、自筆証書、録音、公正証書、秘密証書及び口授証書の5種とする。
第1066条(自筆証書による遺言)①自筆証書による遺言は、遺言者がその全文、年月日、住所及び姓名を自書し、捺印しなければならない。
②前項の証書に文字の挿入、削除又は変更をするには、遺言者が、これを自書して捺印しなければならない。
第1067条(録音による遺言)録音による遺言は、遺言者が遺言の趣旨、その姓名及び年月日を口述し、これに参与した証人が遺言の正確であること及びその姓名を口述しなければならない。
第1068条(公正証書による遺言)公正証書による遺言は、遺言音が証人2人が参与した公証人の面前において遺言の趣旨を口授し、公証人がこれを筆記朗読して、遺言者及び証人がその正確であることを承認した後、各自署名又は記名捺印しなければならない。
第1069条(秘密証書による遺言)①秘密証書による遺言は、遺言者が筆者の姓名を記入した証書を厳封捺印し、これを2人以上の証人の面前に提出して、自己の遺言書である旨を表示した後、その封書表面に提出年月日を記載し、遺言者及び証人が各自署名又は記名捺印しなければならない。
③前項の方式による遺言封書は、その表面に記載された日から5日内に、公証人又は裁判所書記に提出してその封印上に確定日付印を受けなければならない。
第1070条(口授証書による遺言)①口授証書による遺言は、疾病その他急迫した事由により前4条の方式によることができない場合に、遺言者が2人以上の証人の参与でその1人に遺言の趣旨を口授し、その口授を受けた者がこれを筆記朗読して、遺言者及び証人がその正確であることを承認した後、各自署名又は記名捺印しなければならない。
②前項の方式による遺言は、その証人又は利害関係人が、急迫した事由が終了した日から7日内に、裁判所にその検認を申請しなければならない。
③第1063条第2項の規定は、口授証書による遺言に適用しない。
第1071条(秘密証書による遺言の転換)秘密証書による遺言は、その方式に欠缺があっても、その証書が自筆証書の方式に適合しているときは、自筆証書による遺言とみなす。
第1072条(証人の欠格事由)①次の各号の事由に該当する者は、遺言に参与する証人となることができない。
 1 未成年者
 2 禁治産者及び限定治産者
 3 遺言により利益を受ける者、その配偶者及び直系血族
②公正証書による遺言には、公証人法による欠格者は、証人となることができない。
第3節 遺言の効力
第1073条(遺言の効力発生時期)①遺言は、遺言者の死亡した時からその効力を生ずる。
②遺言に停止条件がある場合に、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、その条件成就した時から遺言の効力が生ずる。
第1074条(遺贈の承認、放棄)①遺贈を受けた者は、遺言者の死亡後いつでも、遺贈を承認又は放棄することができる。
②前項の承認又は放棄は、遺言者の死亡した時に遡及してその効力が生ずる。
第1075条(遺贈の承認又は放棄の取消禁止)①遺贈の承認又は放棄は、取り消すことができない。
②第1024条第2項の規定は、遺贈の承認及び放棄に準用する。
第1076条(受贈者の相続人の承認、放棄)受贈者が承認又は放棄をせず死亡したときは、その相続人は、相続分の限度において、承認又は放棄をすることができる。ただし、遺言者が遺言で異なる意思を表示したときは、その意思による。
第1077条(遺贈義務者の催告権)①遺贈義務者又は利害関係人は、相当な期間を定めて、その期間内に承認又は放棄を確答すべき旨を受贈者又はその相続人に催告することができる。
②前項の期間内に受贈者又は相続人が遺贈義務者に対して、催告に対する確答をしないときは、遺贈を承認したものとみなす。
第1078条(包括酌受遺者の権利義務)包括的遺贈を受けた者は、相続人と同一の権利義務がある。
第1079条(受贈者の果実取得権)受贈者は、遺贈の履行を請求することができる時からその目的物の果実を取得する。ただし、遺言者が遺言で異なる意思を表示したときは、その意思に従う。
第1080条(果実収取費用の償還請求権)遺贈義務者が遺言者の死亡後に、その目的物の果実を収取するために必要費を支出したときは、その果実の価額の限度において、果実を取得した受贈者に償還を請求することができる。
第1081条(遺贈義務者の費用償還請求権)遺贈義務者が遺贈者の死亡後に、その目的物に対して費用を支出したときは、第325条の規定を準用する。
第1082条(不特定物遺贈義務者の担保責任)①不特定物を遺贈の目的とした場合は、遺贈義務者は、その目的物に対して、売渡人と同様の担保責任がある。
②前項の場合に、目的物に瑕疵があるときは、遺贈義務者は、瑕疵のない物により引き渡さなければならない。
第1083条(遺贈の物上代位性)遺贈者が、遺贈目的物の滅失、毀損又は占有の侵害により、第三者に損害賠償を請求する権利があるときは、その権利を遺贈の目的としたものとみなす。
第1084条(債権の遺贈の物上代位性)①債権を遺贈の目的とした場合に、遺言者がその弁済を受けた物が相続財産中に在るときは、その物を遺贈の目的としたものとみなす。
②前項の債権が金銭を目的とする場合は、その弁済を受けた債権額に相当する金銭が相続財産中にないときにも、その金額を遺贈の目的としたものとみなす。
第1085条(第三者の権利の目的である物又は権利の遺贈)遺贈の目的である物又は権利が遺言者の死亡当時に第三者の権利の目的である場合は、受贈者は、遺贈義務者に対してその第三者の権利を消滅させる旨を請求することができない。
第1086条(遺言者が異なる意思表示をした場合)前3条の場合に、遺言者が遺言で異なる意思を表示したときは、その意思による。
第1087条(相続財産に属しない権利の遺贈)①遺言の目的とされた権利が遺言者の死亡当時に相続財産に属しないときは、遺言は、その効力がない。ただし、遺言者が自己の死亡当時に、その目的物が相続財産に属しない場合にも遺言の効力をあらしめる意思であるときは、遺贈義務者は、その権利を取得して受贈者に移転する義務がある。
②前項ただし書の場合に、その権利を取得することができず、又はその取得に過多な費用を要するときは、その価額により弁償することができる。
第1088条(負担のある遺贈及び受贈者の責任)①負担のある遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度において、負担した義務を履行する責任がある。
②遺贈の目的の価額が限定承認又は財産分離により減少したときは、受贈者は、その減少した限度において、負担する義務を免れる。
第1089条(遺贈効力発生前の受贈者の死亡)①遺贈は、遺言者の死亡前に受贈者が死亡したときは、その効力が生じない。
②停止条件のある遺贈は、受贈者がその条件成就前に死亡したときは、その効力が生じない。
第1090条(遺贈の無効、失効の場合及び目的財産の帰属)遺贈がその効力を生ぜず、又は受贈者がこれを放棄したときは、遺贈の目的である財産は、相続人に帰属する。ただし、遺言者が遺言で異なる意思を表示したときは、その意思による。
第4節 遺言の執行
第1091条(遺言証書、録音の検認)①遺言の証書若しくは録音を保管している者又はこれを発見した者は、遺言者の死亡後、遅滞なく、裁判所に提出して、その検認を請求しなけれげならない。
②前項の規定は、公正証書又は口授証書による遺言には、適用しない。
第1092条(遺言証書の開封)裁判所が封印された遺言証書を開封するときは、遺言者の相続人、その代理人その他利害関係人の参与がなければならない。
第1093条(遺言執行者の指定)遺言者は、遺言で、遺言執行者を指定することができ、その指定を第三者に委託することができる。
第1094条(委託による遺言執行者の指定)①前条の委託を受けた第三者は、その委託があることを知った後、遅滞なく、遺言執行者を指定して、相続人に通知しなければならず、その委託を辞退するときは、これを相続人に通知しなければならない。
②相続人その他の利害関係人は、相当な期間を定めて、その期間内に遺言執行者を指定すべきことを、委託を受けた者に催告することができる。その期間内に指定の通知を受けることができないときは、その指定の委託を辞退したものとみなす。
第1095条(指定遺言執行者がない場合)前2条の規定により指定された遺言執行者がないときは、相続人が遺言執行者となる。
第1096条(裁判所による遺言執行者の選任)①遺言執行者がなく、又は死亡、欠格その池の事由によりなくなったときは、裁判所は、利害関係人の請求により、遺言執行者を選任しなければならない。
②裁判所が遺言執行者を選任した場合は、その任務に関して必要な処分を命ずることができる。
第1097条(遺言執行者の承諾、辞退)①指定による遺言執行者は、遺言者の死亡後、遅滞なく、これを承諾し又は辞退する旨を相続人に通知しなければならない。
②選任による遺言執行者は、適任の通知を受けた後、遅滞なく、これを承諾し又は辞退する旨を裁判所に通知しなければならない。
③相続人その他の利害関係人は、相当な期間を定めて、その期間内に承諾するか否かを確答すべき旨を、指定又は選任による遺言執行者に催告することができる。その期間内に催告に対する確答を受けることができなかったときは、遺言執行者がその就任を承諾したものとみなす。
第1098条(遺言執行者の欠格事由)無能力者及び破産者は、遺言執行者となることができない。
第1099条(遺言執行者の任務着手)遺言執行者がその就任を承諾したときは、遅滞なく、その任務を履行しなければならない。
第1100条(財産目録作成)①遺言が財産に関するものであるときは、指定又は選任による遺言執行者は、遅滞なく、その財産目録を作成して、相続人に交付しなければならない。
②相続人の請求があるときは、前項の財産目録作成に相続人を参与させなければならない。
第1101条(遺言執行者の権利義務)遺言執行者は、遺贈の目的である財産の管理その他遺言の執行に必要な行為をする権利義務がある。
第1102条(共同遺言執行)遺言執行者が数人である場合は、任務の執行は、その過半数の賛成により決定する。ただし、保存行為は、各自がこれをすることができる。
第1103条(遺言執行者の地位)①指定又は選任による遺言執行者は、相続人の代理人とみなす。
②第681条から第685条まで、第687条、第691条及び第692条の規定は、遺言執行者に準用する。
第1104条(遺言執行者の報酬)①遺言者が遺言でその執行者の報酬を定めなかった場合は、裁判所は、相続財産の状況その他の事情を参酌して、指定又は選任による遺言執行者の報酬を定めることができる。
②遺言執行者が報酬を受ける場合は、第686条第2項、第3項の規定を準用する。
第1105条(遺言執行者の辞退)指定又は選任による遺言執行者は、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て、その任務を辞退することができる。
第1106条(遺言執行者の解任)指定又は選任による遺言執行者に、その任務を懈怠し、又は適当でない事由があるときは、裁判所は、相続人その他の利害関係人の請求により、遺言執行者を解任することができる。
第1107条(遺言執行の費用)遺言の執行に関する費用は、相続財産中からこれを支払う。
第5節 遺言の撤回
第1108条(遺言の撤回)①遺言者は、いつでも、遺言又は生前行為により、遺言の全部又は一部を撤回することができる。
②遺言者は、その遺言を撤回する権利を放棄することができない。
第1109条(遺言の抵触)前後の遺言が抵触し、又は遺言後の生前行為が遺言と抵触する場合は、その抵触する部分の前遺言は、これを撤回したものとみなす。
第1110条(破毀による遺言の撤回)遺言者が故意に遺言証書又は遺贈の目的物を破毀したときは、その破毀した部分に関する遺言は、これを撤回したものとみなす。
第1111条(負担のある遺言の取消し)負担のある遺贈を受けた者がその負担義務を履行しないときは、相続人又は遺言執行者は、相当な期間を定めて、履行すべき旨を催告し、その期間内に履行がないときは、裁判所に遺言の取消しを請求することができる。ただし、第三者の利益を害することができない。
第3章 遺留分
第1112条(遺留分の権利者及び遺留分)相続人の遺留分は、次の各号による。
 1 被相続人の直系卑属は、その法定相続分の2分の1
 2 被相続人の配偶者は、その法定相続分の2分の1
 3 被相続人の直系尊属は、その法定相続分の3分の1
 4 被相続人の兄弟姉妹は、その法定相続分の3分の1
第1113条(遺留分の算定)①遺留分は、被相続人が相続開始時において有した財産の価額に、贈与財産の価額を加算し、債務の全額を控除して、これを算定する。
②条件付の権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価により、その価格を定める。
第1114条(算入される贈与)贈少は、相続開始前の1年間に行ったものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知り贈与をしたときは、1年前にしたものも同様である。
第1115条(遺留分の保全)①遺留分権利者が、被相続人の前条に規定された贈与及び遺贈によりその遺留分に不足が生じたときは、不足の限度において、その財産の返還を請求することができる。
②前項の場合に、贈与及び遺贈を受けた者が数人であるときは、各者が得た遺贈価額に比例して返還しなければならない。
第1116条(返還の順序)贈与に対しては、遺贈の返還を受けた後でなければ、これを請求することができない。
第1117条(消滅時効)返還の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び返還しなければならない贈与又は遺贈をした事実を知った時から、1年内にこれを行わなければ、時効により消滅する。相続が開始した時から10年を経過したときも、同様である。
第1118条(準用規定)第1001条、第1008条及び第1010条の規定は、遺留分にこれを準用する。
附則
第1条(旧法の定義)附則において、旧法とは、本法により廃止される法令又は法令中の条項をいう。
第2条(本法の遡及効)本法の特別の規定がある場合のほかは、本法施行日前の事項に対してもこれを適用する。ただし、既に旧法により生じた効力に影響を及ぼさない。
第3条(公証力ある文書及びその作成)①公証人又は裁判所書記の確定日付印のある私文書は、その作成日付につき公証力がある。
②日付確定の請求を受けた公証人又は裁判所書記は、確定日付簿に請求者の住所、姓名及び文書名目を記載し、その文書に記簿番号を記入した後、日付印を押し、帳簿及び文書に契印をしなければならない。
③日付確定を公証人に請求する者は、法務部令が、裁判所書記に請求する者は、最高裁判所規則が、各々定めるところにより、手数料を納付しなければならない。
④公正証書に記入した日付又は公務所において私文書にある事項を証明し、記入した日付は、確定日付とする。
第4条(旧法による限定治産者)①旧法により心神耗弱者又は浪費者として準禁治産宣告を受けた者は、本法施行日から本法の規定による限定治産者とみなす。
②旧法により聾者、唖者又は盲者として準禁治産宣告を受けた者は、本法施行日から能力を回復する。
第5条(夫の取消権に関する経過規定)旧法により妻が夫の許可を要する事項に関して、許可なくその行為をした場合にも、本法施行日後は、これを取り消すことができない。
第6条(法人の登記期間)法人の登記事項に関する登記期間は、本法施行日前の事項に対しても、本法の規定による。
第7条(罰則に関する不遡及)①旧法により過料に処すべき行為で本法施行当時裁判を受けていない者に対しては、本法により過怠料に処すべき場合に限り、これを裁判する。
②前項の過怠料は、旧法の過料額を超えることができない。
第8条(時効に関する経過規定)①本法施行当時に、旧法の規定による時効期間を経過した権利は、本法の規定により取得又は消滅したものとみなす。
②本法施行当時に、旧法による消滅時効の期間を経過していなかった権利には、本法の時効に関する規定を適用する。
③本法施行当時に、旧法による取得時効の期間を経過していなかった権利には、本法の所有権取得に関する規定を適用する。
④第1項及び第2項の規定は、時効期間でない法定期間に、これを準用する。
第9条(効力を喪失する物権)旧法により規定された物権でも、本法に規定する物権でなければ、本法施行日から物権の効力を失う。ただし、本法又は他の法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
第10条(所有権移転に関する経過規定)①本法施行日前の法律行為による不動産に関する物権の得喪変更は、本法施行日から6年内に登記しなければ、その効力を失う。
②本法施行日前の動産に関する物権の譲渡は、本法施行日から1年内に引渡しを受けることができなければ、その効力を失う。
⑤本法施行日前の時効完成により物権を取得した場合も、第1項と同様である。
第2条(旧慣による伝貰権の登記)本法施行日前に慣習により取得した伝貰権は、本法施行日から1年内に登記することにより、物権の効力を有する。
第12条(判決による所有権移転の場合)訴訟により附則第10条の規定による登記又は引渡しを請求した場合は、その判決確定の日から6月内に登記をせず、3月内に引渡しを受けることができず、又は強制執行の手続をとらないときは、物権変動の効力を失う。
第13条(地上権の存続期間に関する経過規定)本法施行日前に地上権設定行為で定めた存続期間が本法施行当時に満了しなかった場合は、その存続期間には、本法の規定を適用する。設定行為で地上権の存続期間を定めなかった場合も、同様である。
第14条(存続する物権)本法施行日前に設定した永小作権又は不動産質権に関しては、旧法の規定を適用する。ただし、本法施行日後は、これを更新することができない。
第15条(賃貸借期間に関する経過規定)本法施行日前の賃貸借契約に約定期間がある場合にも、その期間が本法施行当時に満了しなかったときは、その存続期間には、本法の規定を適用する。
第16条(先取特権の失効)本法施行日前に旧法により取得した先取特権は、本法施行日からその効力を失う。
第17条(妻の財産に対する夫の権利)本法施行日前の婚姻により夫が妻の財産の管理、使用又は収益する場合にも、本法施行日から、夫は、その権利を失う。
第18条(婚姻又は縁組の無効、取消しに関する経過規定)①本法施行日前の婚姻又は縁組に、本法により無効の原因となる事由があるときは、これを無効とし、取消しの原因となる事由があるときは、本法の規定によりこれを取り消すことができる。この場合に、取消期間があるときは、その期間は、本法施行日から起算する。
②本法施行日前の婚姻又は縁組に、旧法による取消しの原因となる事由がある場合にも、本法の規定により取消しの原因とならないときは、本法施行日後は、これを取り消すことができない。
第19条(離婚、離縁に関する経過規定)①本法施行日前の婚姻又は縁組に、本法により離婚又は離縁の原因となる事由があるときは、本法の規定により裁判上の離婚又は離縁の請求をすることができる。この場合に、その請求期間があるときは、その期間は、本法施行日から起算する。
③本法施行日前の婚姻又は縁組に、旧法により離婚又は離縁の原因となる事由がある場合にも、本法の規定により離婚又は離縁の原因とならないときは、本法施行日後は、裁判上の離婚又は離縁の請求をすることができない。
第20条(親権)成年に達した子は、本法施行日から親権に服さない。
第21条(母の親権行使に関する制限の廃止)旧法により親権者である母が親族会の同意を要する事項に関して、その同意なく未成年者を代理した行為又は未成年者の行為に対する同意をした場合にも、本法施行日後は、これを取り消すことができない。
第22条(後見人に関する経過規定)①旧法により未成年者又は禁治産者に対する後見が開始した場合にも、その後見人の順位、選任、任務及び欠格に関する事項には、本法施行日がら本法の規定を適用する。
②旧法により準禁治産宣告を受けた者に対しても、この後見に関する事項は、前項と同様である。
第23条(保佐人等に関する経過規定)旧法による保佐人、後見監督人及び親族会員は、本法施行日からその地位を失う。ただし、本法施行日前に、旧法の規定による保佐人、後見監督人又は親族会が行った同意は、その効力を失わない。
第24条(扶養義務に関する本法適用)旧法により扶養義務が開始した場合にも、その順位、選任及び方法に関する事項には、本法施行日から本法の境定を適用する。
第25条(相続に関する経過規定)①本法施行日前に開始した相続に関しては、本法施行日後も、旧法の規定を適用する。
②失踪宣告により戸主又は財産相続が開始する場合に、その失踪期間が旧法施行期間中に満了するときにも、その失踪が本法施行日後に宣告されたときは、その相続順位、相続分その他相続に関しては、本法の規定を適用する。
第26条(遺言に関する経過規定)本法の施行日前の慣習による遺言が、本法に規定する方式に適合しない場合でも、遺言者が本法施行日がら遺言の効力発生日までその意思表示をすることができない状態にあるときは、その効力を失わない。
第27条(廃止法令)次の各号の法令は、これを廃止する。
 1 朝鮮民事令第1条の規定により準用された民法、民法施行法及び年齢計算に関する法律
 2 朝鮮民事令及び同令第1条により準用された法令中、本法の規定と抵触する法条
 3 軍政法令中、本法の規定と抵触する法条
第28条(施行日)本法は、1960年1月1日から施行する。
(改正附則は、省略)



コメントを残す

Close Menu
Close Panel