悲しすぎる事件

By | 11月 15, 2017

孤立した母「一緒に幸せな国へ」朝日新聞
2017年11月14日03時58分

http://www.asahi.com/articles/ASKCF5DG2KCFUUPI003.html

千葉愛実さんは亡くなる1~2カ月前、「ママと話して、アメリカの大学に行くことにしたの」と話し、
算数の勉強に力を入れ始めたという。

昨年6月。秋田市の児童養護施設で暮らしていた千葉愛実(めぐみ)さん(当時9)は、
迎えに来た母親に駆け寄り、一緒にタクシーに乗り込んだ。

回転ずし店で食事をし、ファストフード店でソフトクリームを食べ、母親の住むアパートへ。
年に数回の外泊で、週末の2日間、親子水入らずの時間を過ごす予定になっていた。

しかし、施設に戻る約束の時間を過ぎても、愛実さんは戻らなかった。
通報を受けた警察がアパートに立ち入ると、愛実さんはタオルケットにくるまれ、ベッドの上で冷たくなっていた。
母親はその隣で、意識を失って倒れていた。腹に3カ所の刺し傷があった。

警察による司法解剖の結果、愛実さんは弱い力で十数分間以上、首を圧迫され、窒息死したとわかった。抵抗した跡はなかった。
母親の千葉祐子被告(41)は意識を回復し、無理心中を図って娘を殺害した疑いで逮捕された。

児童養護施設から母親のもとに一時外泊していた9歳の女の子が亡くなった。
無理心中を図ったとみられる母親は、精神疾患を抱え、行政の支援も途切れがちになる中で孤立を深めていた。

「地上の生活はあまりに夢がない」「一緒にママと幸せな国に行こう」。
母親の10日ほど前の日記にはこう書かれていた。

遺書には、元夫が親権を奪おうと自分を犯罪者に仕立て上げるという、現実にはないことが書かれ、
「追い詰められ自殺するしかなかった」とあった。

殺人罪で起訴された母親は今年、一審と二審で懲役4年の実刑判決を受け、最高裁に上告している。
一審判決では妄想性障害などとする鑑定が採用されたが、判断力は失っていなかったとされた。

母親は2002年に結婚し、06年に愛実さんを出産した。
元夫(44)によると、結婚前から患っていた精神疾患が、出産後に悪化し、入退院を繰り返した。

その間、元夫の実家に身を寄せ、愛実さんの面倒をみてもらった。
実家を出ると、愛実さんは保育園に預けられ、元夫が送り迎えした。

09年に離婚。調停で争い、母親が親権を得た。
その後、母親は元夫がストーカーをするという妄想を抱くようになり、元夫や自身の親族と音信を絶った。

母子は秋田県大仙市で障害基礎年金と生活保護を受けて暮らしていたが、
11年、母親が「眠れず、疲れがひどい」などと児相に訴え、
愛実さんは秋田市内の児童養護施設に入った。

「いちばんうれしかったのは、めぐがだいすきなのはママ!!といってくれたこと」「いつもめぐをおうえんしています」……。
父親が児童養護施設から受け取った愛実さんの遺品の中には、母親からの手紙も複数あった

13年、娘の近くに住みたいと秋田市に引っ越した頃を境に、母親は孤立を深めていく。
母子に関する情報は大仙市から秋田市に伝えられたが、秋田市は「児相が介入して娘は施設にいる」として市や要対協の支援対象にはしなかった。

母親は精神科を定期的に受診していた。また、市の生活保護の担当者は3カ月に1度、母親宅を家庭訪問していた。
だが、そうした情報が市の児童相談担当や児相、児童養護施設で共有されることはなかった。
児相による母親への面談や訪問も13年以降、途絶えた。

報告書によると、児相は県の聞き取りに対し「(母親は)単身での生活が維持され、(母子)関係は良好と考えていた」と答えている。
愛実さんの年数回の母親宅での外泊は、児相から任された児童養護施設が母親の様子をみて判断していた。

母親は愛実さんに会うと、人目をはばからず抱きしめた。
愛実さんのシャンプーや歯ブラシにもこだわっていた。
「娘が大好きだった」と、複数の施設職員は語る。

読売新聞の2017年6月11日の記事です。
http://www.yomiuri.co.jp/local/akita/feature/CO013871/20170612-OYTAT50008.html?from=tw

「ショックのあまり言葉も涙も出ず、体が震えるだけだった」。秋田市立高清水小4年、千葉愛実さん(当時9歳)を殺害したとして、殺人罪に問われた母親(41)の裁判で、法廷に立った父親は絞り出すように話した。

スーツ姿で現れた父親はまっすぐ前を見て意見陳述した。2009年に調停離婚が成立して以降、愛実さんとの月1回の面会に、母親が応じさせなかったため一度も会えなかった。長年待ち望んでいた7年ぶりの再会は、穏やかな表情からはほど遠い、変わり果てた姿だった。

 

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